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濵口産婦人科クリニック

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妊娠期に気を付けたい感染症と対策 

2026年6月30日 //  by 濵口産婦人科スタッフ

雨の多い毎日ですね😥
食中毒などますます気を付けなければいけない時期になりました。

そんな中、先日当院で感染症についての勉強会がありましたので皆さまにお知らせします😊

1.妊娠中、なぜ感染症にかかりやすくなるの?

よく「妊娠中は免疫が下がる」と言われますが、正確には「お腹の赤ちゃんを異物として攻撃・排除せずに、優しく受け入れるために免疫のバランスが調節される」ということです。これを「免疫寛容(めんえきかんよう)」と言います。
この調節の過程で、特定の細菌やウイルスに対する抵抗力が一時的に低下するため、普段以上に感染症への注意が必要になります。

2.特に注意したい「母子感染」のリスクと代表的な感染症

母親から子どもへ感染する「母子感染」は、主に3つのルートに分類されます。

① 胎内感染(子宮の中で感染する)

サイトメガロウイルス

 ・大人はほぼ無症状ですが、胎児に移行すると発達への影響が出ることがあります。ワクチンがなく、「保育園ウイルス」と呼ばれるほど子どもたちの間で広がりやすいため、上のお子さんがいる家庭は特に注意が必要です。
トキソプラズマ(寄生虫)

・胎児の重症化リスクがあります。猫の糞便だけでなく、実際は「加熱不十分な肉(生肉)」を食べるリスクのほうが高いと言われています。
リステリア菌(食中毒菌)

・冷蔵庫の温度でも増殖できる強い菌です。感染率は低いですが、感染すると早産や死産のリスクが高まります。

GAS(劇症型溶血性レンサ球菌)

・感染率は低いものの、重症化した場合の致死率が高いため、早期発見と迅速な治療が重要になります。
風疹

・胎児の聴力や視力障害(先天性風疹症候群)のリスクが上がります。理論上、ワクチンで根絶可能な感染症であるため、事前のワクチン対応が推奨されます。

② 産道感染(出産のときに感染する)

GBS(B群溶血性レンサ球菌)

・妊婦の10〜30%が持っている常在菌で、お母さん自身には無害です。ただし、生まれたばかりの赤ちゃんが感染すると肺炎や敗血症のリスクがあるため、妊婦健診で検査を行い、分娩時に抗生剤などで対応します。

③ 母乳感染(授乳中に感染する)

HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)

・潜伏期間が数十年のため、多くは無症状のまま気づきません。将来的に神経疾患や成人T細胞白血病(ATL)を引き起こすことがあります。

他にも出産後に気を付けたい感染症として「RSウイルス」があります。

一般的な風邪ウイルスですが、乳児(特に生後6ヶ月まで)が感染すると重症化のリスクが跳ね上がります。厚生労働省によると2歳までにほぼ100%が罹患します。そのため、今年度からはお母さんへのワクチン(母体免疫)が定期接種として推奨され、生後すぐの赤ちゃんを守れるようになりました。

3.今日からできる!感染成立を防ぐ「3つのアプローチ」

感染症は、「①感染源」が「②感染経路」を通って、「③宿主(抵抗力の低い人)」に届くことで成立します。この3つの要因をどこかで断ち切ることが重要です。

アプローチ①:病原体(感染源)の排除

病原体そのものを減らす、または死滅させることです。
 ・手消毒(アルコール)や日常物品の消毒(次亜塩素酸ナトリウムなど)をする。
 ・食中毒の3原則「つけない・増やさない・やっつける」を意識し、食品は中心部までしっかり加熱調理する。
 ・体調が悪い時は、早めに医療機関を受診して適切な抗生剤や抗ウイルス薬を使用する。

アプローチ②:感染経路の遮断

ウイルスや菌が体に入るルート(手・口・鼻・目)を物理的にブロックすることです。
 ・基本の徹底:こまめな正しい手洗い、マスク着用、咳エチケット、こまめな換気
 ・日常生活・ガーデニング:土いじりをする時は厚手の手袋を着用する(トキソプラズマ対策)
 ・家庭内でのルール作り(特に上のお子さんがいる場合)
  子どもの食べ残しを食べない。
  スプーンや箸、コップを共有しない。
  唇へのキスは避ける。

アプローチ③:宿主(妊婦さん)の抵抗力の向上

免疫寛容でデリケートになっている体をサポートし、発症や重症化を防ぐことです。
 ・温活(冷えの予防):体を温めることでリンパ球が活発になり、免疫機能が維持されやすくなります。
 ・腸内環境を整える:免疫細胞の約7割が集中する「腸」を健康に保つ食事を意識します。    
 ・自律神経の安定:ストレスや寝不足は免疫力を下げます。規則正しい生活リズムと質の良い睡眠を心がけましょう
 ・ワクチンの活用:推奨されているワクチンを接種することで、お母さんの重症化を防ぐだけでなく、生まれたばかりの赤ちゃんに免疫をつけることができます。

まとめ

どの感染症も、基本的にはお母さんの「飛沫感染」や「接触感染」が引き金となります。
あれもこれもと難しく考える必要はありません。手洗いや加熱調理、家族間での食器の共有を避けるといった「日々の小さなしきたり」の積み重ねこそが、お母さん自身ととお腹の赤ちゃんを守る最強のバリアになります。できることから意識して取り組んでいきましょう
そして少しでも違和感を感じたら放置せず受診をおすすめします❗

カテゴリー: スタッフブログ

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